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<トンネルじん肺訴訟>熊本地裁でも原告勝訴 国に賠償命令
国発注のトンネル工事でじん肺になった九州・山口県に住む元作業員と遺族計196人(うち患者数156人)が、国に患者1人当たり330万円、計5億1480万円の賠償を求めた「トンネルじん肺九州訴訟」の判決が13日、熊本地裁であった。永松健幹裁判長(石井浩裁判長が代読)は国の責任を認め「じん肺法が施行された1960年4月ごろには国はトンネル建設工事の従事者がじん肺を発症する危険性が高いと認識しており、防じん対策を義務づける省令を制定しなかったのは著しく合理性を欠き違法」として、原告160人(同130人)に計2億5931万円を支払うよう国に命じた。
全国11地裁のトンネルじん肺訴訟で、国の責任を認めた司法判断は、7日の東京地裁判決に続き2例目。東京地裁判決は、粉じんが大量発生する新しいトンネル工法が普及した86年末以降の国の責任を認めたが、熊本地裁はさらに約26年さかのぼって国の責任を認めることで、原告を広く救済した。東京地裁に続いて国の規制権限不行使の責任を認めた判断を受け、国は早急にじん肺根絶へ向けた抜本的な対策の構築を迫られる。
九州訴訟の提訴は03年7月。原告は43〜84歳の元作業員156人(うち20人死亡)と遺族で、原告患者数では、宮崎(60人)、鹿児島(47人)、熊本(34人)の3県が大半を占める。全員が元請けゼネコン各社とは和解が成立している。
訴訟では、国はじん肺防止のため企業活動を制限する権限を行使すべきだったか(規制権限不行使の有無)▽工事発注者の立場から、下請け労働者の健康に責任を負うべきか(安全配慮義務の有無)――などが争点となった。
判決は「防じん対策として、散水措置や発破退避時間の確保は60年4月、防じんマスクの使用は79年、粉じん濃度の測定は88年1月時点で、省令で義務づけるべきだった」と認定した。
一方、安全配慮義務違反については「第一次的かつ最終的には元請け事業者に課せられた義務」などと言及するにとどまった。
また、国側が主張した賠償請求権の時効(3年)については「筑豊じん肺訴訟福岡高裁の判決後に弁護士らの助言を受けた後である02年1月18日を起点とするのが相当」と判断した。36原告(うち患者数26人)は、60年3月以前にトンネル工事現場から引退していたり、症状が比較的軽いとされ、棄却された。【門田陽介】
(毎日新聞) - 7月13日13時51分更新
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